こんにちは、ハーブ動物病院です。
暑さが落ちついてきた秋〜冬頃は鳥たちの産卵が増えてくる頃です。
もちろん自力で産める子がほとんどですが、中には人の手を必要とする子もいます。
今回はお腹の中に二つの卵が詰まってしまったセキセイインコの症例を紹介します。
症例:セキセイインコ、1歳7ヶ月、メス、BW53g、産卵歴なし、排便あり
主訴:お腹が張っていて、赤くなっている
腹部触診にてお腹に硬いものが確認できました。
年齢や性別を考慮すると、卵の可能性が高く、状態確認のためレントゲン検査行いました。
2つの卵が確認できました。
中で潰れているような所見はありません。
通常は産卵後に新たな排卵が起るため、2つの卵がお腹にある時点で卵詰まりを起こしていることがわかります。
この症例は初産であったため、卵の出口である卵管口がうまく開かずに詰まってしまったようです。
すぐに圧迫排出処置を行いました。
総排泄腔を優しく圧迫し、卵管口の位置を確認します。
目視で卵があることは確認できましたが、そのまま出せるほど卵管口は開きません。
卵の中身を吸い取り、殻を破って体積を小さくし、取り出しました。
止血剤等を注射し、翌日に2個目の卵も同様に排出処置を行いました。
その後元気、食欲、排便に問題がなかったため退院となりました。
今後も卵が詰まってしまう可能性があるため、発情抑制をしっかりと継続して行う必要があります。
以上です。