こんにちは、ハーブ動物病院です。
今回はジャンガリアンハムスターの子宮腫瘍について、紹介します。
術中写真も掲載いたします。苦手な方はお気をつけ下さい。
症例:ジャンガリアンハムスター、メス、1才9ヶ月、48g
主訴:定期検診で来院された際に腹部膨満に気がついた
まずは腹腔内臓器に異常がないか、エコー検査を行いました。
エコー検査:子宮の領域に液体が重度貯留
仮診断:子宮水腫もしくは蓄膿症
治療:子宮卵巣の全摘出
子宮疾患の第一選択は手術による摘出です。
年齢、麻酔、出血のリスクを飼い主様とよく相談したうえで、子宮卵巣摘出手術を行いました。
術前の写真です。
毛刈りをすると、お腹の張りがよくわかります。
水腫のように内部がパンパンの子宮が確認できました。
血管を傷つけないように慎重に取り出します。
子宮、卵巣を無事に取ることができました。
術後の写真です。
術前に比べ、腹部がすっきりしました。
取り出した子宮と卵巣です。
左右ともに膿が溜まり、切開すると写真の右側のように子宮は収縮し、液体が出てきました。
子宮内に腫瘍も確認されたため、病理検査を行いました。
病理検査結果:子宮水腫と子宮の顆粒膜細胞種
細胞異型性は低く、核分裂像は乏しい、検索範囲に腫瘍の脈管浸潤像は認めないが、拡張した血管に近接して腫瘍組織が認められる
卵巣は異常所見認めず
ハムスターの子宮の顆粒膜細胞腫は情報が少なく予後が不明ですが、無事に退院しました。
元気に過ごせるよう、経過観察をしていきたいと思います。
以上です。