こんにちは。
ハーブ動物病院です。
以前にハリネズミの眼球突出の場合の、眼瞼縫合による治療法(https://buff.ly/3fEwDz9 )を紹介しましたが、今回は眼球摘出に至った症例を紹介します。
ハリネズミ、4才5ヶ月、メス
主訴:眼球からの出血
鎮静をかけて、出血や眼球の組織の損傷レベルを確認しました。
表面のかさぶた部分を洗浄すると血が滲みました。
角膜の穿孔により眼球組織と出血部位の境界が不明瞭であり、眼球組織の温存が不可能であると判断し眼球摘出術を行いました。
術後は抗生剤、消炎鎮痛薬を内服します。
術後2週間の抜糸後の様子です。
イソジンで消毒したため、茶色に見えますが、手術部位は問題なく治癒しています。
今回の眼球突出の原因ははっきりとはわかりませんでしたが、元々眼窩が浅く、眼球突出が起きやすい動物であり、口腔内疾患も併発していることから、腫瘍性突出の可能性も示唆されます。
ハリネズミは口腔内腫瘍の発生も多く、ハリネズミの腫瘍の約17.1%を占め、その約半数が悪性腫瘍であるとの報告もあるため、こちらも合わせて定期的な経過観察を行います。
以上です。