こんにちは。
ハーブ動物病院です。
今回はハリネズミの子宮腫瘍について紹介します。
ハリネズミの子宮疾患は皮膚病に次いで2番目に多い病気であるという調査結果があり、飼育されている未避妊のメスの33%に子宮疾患が認められるとも言われています。
ここで、症例を紹介します。
症例:ハリネズミ、370g、3歳7ヶ月齢、メス
主訴:陰部から出血
まずは鎮静下で、膀胱と子宮を中心に異常がないか精査します。
膀胱を触診し、圧迫排尿では、黄色の尿を確認できました。
エコー検査を行うと、子宮の腫大が確認されました。
x線検査では肺野など異常は認められませんでした。
仮診断:子宮疾患による出血
治療:異常子宮と卵巣の摘出
最小限の傷で慎重に子宮と卵巣を摘出しました。
術後の経過も問題ないため、翌日に退院となりました。
抜糸の際も異常はなく、おうちで元気に走り回っているそうです。
病理検査:子宮内膜間質腫瘍
(腫瘍は内膜に限局しており、切除縁で腫瘍細胞は認められない)
ハリネズミの子宮疾患の中で最も多いとされている腫瘍でした。
ハリネズミの子宮内膜間質腫瘍の転移は稀で、予後も良いとの報告があります。
隠れた転移病巣などなければ、今後は元気に過ごせると思われます。
以上です。